宙ぶらりんで吐き出した溜息が、
ぽっかりと空いた心をくぐり抜けていく。
どのチャンネルも砂嵐。
変わらない景色に安堵して、
だけれどそれは何も示してはくれない虚構。
一途であることで君に寄り添えるなら、
私はまばたきをすることすら捨てて君だけを見るだろう。
今は、このてのひらに居る体温すら愛おしい。
私のあたたかさだけは、私を看取ってくれると知る。
点在する不安。
呟かれ続ける脅迫。
見て、聞くものぜんぶがうるさくて、うるさくて。
ああ水になりたい、それから僕は太陽を待つ。
昨日までの空は誰もいなくて
君は生きているのかと今日上を向いて問いかけたら
星がぽつり、とそこにあった。
ああ、吐息の音を聞き逃していたのは私のほうだったね。
私に傷が付いたのは、私がそれを避けずにいたから。
誰の言葉なんて関係ないと言う、君に盲目の私を笑って。
ぐるぐるぐるぐる、おんなじことを繰り返す。
何度も何度も「だけど」「もしも」、こればかり。
しあわせを覆う不安な気持ちは尽きることなく
いつまでも答えが出ない、何が答えかもわからない。
未来だってわからない。
だから今頭の中で考えていてもしかたがないんだ。
僕はとりあえず楽へ逃げる、しあわせのほうを向いて
「もしも」に会ったそのときは、改めて考えることを始めよう。
それまで僕は、君に浸る。
誤魔化しながら歩いていたら
ねえ、もう自分の影の形すら忘れてしまってた。
たとえ君の言葉が嘘で作られたものだとしても
どうかそれを、私に気がつかせないで。
能天気に笑いながら、私は君を見ていたいから。