楽しかった記憶に苦しい記憶を上書きして、
泣いてばかりだと嘆く私。 # 010
少しだけの裏側で、私は全てを求めている。
# 009
向けられた刃先に、私が畏怖することはなく。
むしろ彼との距離が遠いことを残念に思った。 # 008
来ないメール、繋がらなくなった電話。
唇に触れられた昨日、指先が遠い今日。 「またね」の意味は「さよなら」だとわかっているはずなのに。 # 007
君を嫌おうとした歩数だけ、
君を忘れるまでの道のりは延びている。 # 006
ちか、ちかちか、ちか。
点いたり消えたりの感情が煩い。 # 005
君が投げた空白を貪る。
私はその中の痛みに溺れ、もがくけれど 息を切らした口元は、いつも微笑んでいる。 # 004
麻痺していた、求めることを許される感覚。
# 003
世界はもう真っ白ではない。
けれどまだ、真っ黒でもない。 # 002
逃げることが好きなくせに、鈍足。
# 001
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