隣同士影を並べた、あの日の二人を
まだ、あなたは覚えているでしょうか。

広い空が続くこの下で
距離ばかり、どこまでも遠くなって
あなたに帰る口実を、私は今も探しています。

あなたといた時間なんて
右手で指折れる数しかないはずなのに
どうして、その感覚を知ってしまったから
同じ温かさにはもう戻れない事を知りつつも
あなたが捨て忘れた切れ端が、私の中に残ったまま。

もうすぐ、あなたが恋しい夏の夕暮れ。

そうして記憶の香に「おかえり」を、今年もあの日へ。