狭まる管が、柔い指の感触に浸る。
脈を打つ喉の心地良さ。
この首筋が今は寂しいと、そう感じる度に私は咽ぶ。

薄れる記憶を一つでも掬いたくて、
絶えず肌に触れている。
熱を抱くその下は、指を離すと静かに冷える。
光を映せば私が一人、目を閉じれば彼の指先に喘ぐ。

こうして歪な霞のせいにして、私は光を捨てていく。